娘からのメッセージ りんしゅう

「お母さんって、 いつもでもさぁって言うよね」
小学校五年生の娘からの、 突然の一言に私はショックで、 言葉がでませんでした。


娘からのメッセージ りんしゅう


自分では、 娘の話にいつも耳を傾けて聴いていたし、 何でも話せる関係でいたし、 そして何より娘のことを理解していると思っていました。
なのに、 それは全て○○していたつもりだったとは…。
まさかの娘からの一言に頭の中がまっ白になりましたが、 ゆっくり落ち着いて娘との会話のやりとりを振り返ってみることにしました。
 
確かに、 娘の話はいつもしっかり聞いていました。
しかし、 娘の気持ちに寄り添って聴いていたかというと、 大人の目線で物事を考え、 親の価値観を押しつけてしまうことが多かったように感じます。

子どもだから、 間違えたことも言えば、 失敗するであろうことも、 時にはおかしなことだって言うのは当たり前です。
大人だって一人一人考え方が違うのだから、 いくら我が子であっても思いや考え方が自分とは異なることは当然なことなのです。

でも、 そんな当たり前のことを、 私は受け止めてあげる余裕がなく、 娘の思いや考えを尊重しないで、 ただただ失敗しないように、 恥をかかせないように…と親の勝手な想いで道筋を整えようとするあまりでもさぁと全否定の言葉を使っていたのです。

それから私はでもさぁは極力封印し、 「そうか○○だったんだね」と共感する声掛けや、 娘と違う考えの時には「お母さんは、 こう思ったよ」 と言葉を添えるようにしました。

また、 「もっとくわしくきかせて」や「話してくれてありがとう」などの言葉もプラスして使うようにし、 娘が自分の思いや考えを安心して言葉にして伝えることができるよう心掛けました。
時には、 思いのすれ違いで口ゲンカになることもありましたが、 親の私がぐっとこらえ娘の考えを尊重し、 歩み寄るよう努めました。

あれから一年半。 娘は現在、 思春期まっ只中です。 親の思うように、 なかなかことは進みませんが、 娘は自分の言葉に責任をもち、 失敗やつまずいた時など、 人のせいにすることなく行動しています。
それは、 あの時娘に教えてもらった一言のおかげで、 親としての対応の仕方を反省し、 かかわり方を改善した成果だと思っています。

娘の人生は、 まだまだこれから。
先は長いです。 親だから…の先走りをこれからもしないで、 子どもの意見や考えを尊重し、 自分のことは自分で責任をもって行動する権利をしっかり保障し、 支えていきたいと思っています。

(島田市)


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