「ご縁、 おたがい様、 お裾分けで -憂破破、 和 (輪) 波波-」 野田 和代

「オギャー」 赤ちゃんが誕生した瞬間、 周りの人から思わず笑みがもれ、 皆で喜びを分かち合い、 幸せ気分に浸ります。

「ご縁、 おたがい様、 お裾分けで -憂破破、 和 (輪) 波波-」 野田 和代

しかし、 ヒトは不完全な形で生まれるので他の動物と違い面倒を見てもらわなければ命さえも危ぶまれます。 「かわいい」 と思うと同時に二十四時間気配り見守りして育みます。

昔と違い親の育った環境も変わり、 兄弟が少なく家庭の中で社会化されにくく、 近隣との関係も希薄化し集団の中で 「人」 に成長する機会が減少しました。

十年位前、 娘が保育士になり初年度が終る頃乳園児の一年間の歩みを綴っている時、
「ねえ見て見て。すごいでしょ」 と興奮しながら作品を見せました。

最初の頃はクレヨンを握ることさえできなかったのに握れるようになり、 画用紙に点、 点と色が付き、 やがて線になり、 さらに色々な色を使えるようになったと目を輝やかせ誇らしげでした。

この感動は彼女のみならず我が家族にも伝わり、 満面の笑顔をもたらせてくれました。
このような感動を覚えボランティアを始め三島市がブックスタート事業のボランティアを募った時から参加し十年過ぎました。 その間放送大学で学位を取り、 再入学して 「心理と教育」 を履習しています。

そこでさまざまなことが見え、 ある意味乳幼児が人として成長し人格を育むことの不安を感じます。 たった三ヶ月の赤ちゃんでも言葉かけをしてもらっていると表情が豊かです。

ところがパソコン、 スマートフォン等、 親を取り巻く環境の変化の中で 「取りあえず」 という手軽さの育児。 テレビで遊ばせスマホで読み聞かせ等の対応の仕方もあり、 授乳をしながら携帯電話を操作するなんてことも。

私は、 絵本をただ読むのではなく、 時には何げない言葉がけをすることがあります。

「今日はお日様が笑って天気がいいね」
「風が吹いているから洗濯物がダンスしているね」
「今ミルク作っているからちょっと待ってね」

とか赤ちゃんに語りかけてあげてほしいと言います。

こんなふうに半日お手伝いをしてますと、 ボランティアの皆さんはかわいい赤ちゃんに接し目尻を下げ幸せ気分になり元気になります。

今、 団塊の世代が高齢者になりましたが、 まだまだ若く 「毎日サンディ sunday 」 ではもったいない。 長い人生で培ってきた知恵や知識がお蔵入りではもったいないです。 社会と関わり世代間交流をし喜びを共有共感することが大切だと思います。

私は年一回ある高校でブックトークをしています。 テーマを決めて数冊の本を紹介しますが、 その根底にあるものは 「自分に強くあれ。そして優しく」 です。 五感で感じられる人であってと願います。

このように子ども達の成長のお手伝いをすることが私達大人の役割のような気がします。

(三島市)


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