私は四人姉妹の末っ子として育ちました。 末っ子だったこともありわがままで、 父や母に時々叱られたことが今でも記憶に残っています。 今、 思えば私のことを思って叱ってくれたんだなぁと自分が親になって初めて感じることができました。
親は我が子の成長を何よりも願い、 喜びを主体として子育てをしていきたいといつも思っています。 でも子どもは親の思う通りにはなかなか育っていかないものです。 みんな産まれた時は赤ちゃんで、 親の手を借りて大きくなっていきます。 育て方や環境が違うだけで、 その子の人生観も大きく変っていきます。
私も男の子を育ててきていますが、 子育ての根本はやはり愛の心情が全てだということを感じています。 夫婦や兄弟姉妹が互いの為に生きて行くことを通して、 その子の人格が形成されて、 社会に出ても人の為に歩める心情が培われていくのではないかということを感じています。 また兄弟姉妹でも一人一人の個性があってそれは比べることができない尊いものでもあります。
とかく大人達は周りと比べてしまい、 その子の良い所を見失なってしまいがちになり、 個性を否定してしまうことにもなりかねません。 そのようなことを起こさない為にも結果ばかりを重視することよりも、 そこまで行く過程においてどう歩み、 どのように努力してきたかということをちゃんと見てあげることが次の努力にも繋つながっていくのではないかと思っています。
一生懸命がんばったことは沢山誉めてあげ、 嬉しい気持ち悲しい気持ちなども全て共有してあげることがその子を尊重してあげることでもあると思います。 そして一人一人の個性が集団や社会に出た時にいろいろな思考力や行動力となって沢山の人達との出会いを成していけるのだと思います。
そう思うと個性は本当に尊くてそれを伸ばして引き出してあげる事も親としての仕事ではないかと思います。 子育ては本当に長い道のりでもありますが、 子育てには終りはないので親と子どもである以上、 情の世界は続いていきます。
今、 自分の子どもが自分の思うようにたとえ育っていないと思っていても、 親が自らの足らなさや間違いがあったならそれに気づき反省する気持ちを持っていけば、 そこからまた新しい親子の心情の形や情が作られていくのだと思います。
その情が親から子へそして孫へと流れていくように私達は目に見えるものだけを与える以上に子ども達に良い情をつなげていくことがとても重要だということを感じています。
その為にも親は子どもがどんな時でも信じて受け止めてあげられる心の広さと深さを持っていくこと が大事だと思います。
親も一人の人間です。
失敗もすればつまづくことも沢山ありますので、 親も謙虚な心を持って心に新鮮な空気を入れていけるよう、 良い人と沢山交わり、 良い話も沢山聞いたりして自分を静かに見つめてみる時間も必要ではないかということ をいつも感じています。
(浜松市)